未払い賃金・未払い残業代

「残業代が一切出ない」「退職したのに最後の給料が振り込まれない」「給料日を過ぎても支払いがなく、催促しても無視される」そのような状況に置かれたとき、多くの方が「どこに相談すればいいかわからない」「自分一人では何もできない」と感じて、泣き寝入りしてしまいます。しかし、給料は労働の対価として法律で保護された権利です。支払われなかった賃金は、正当な手続きを踏めば取り戻せる可能性があります。

こんな「未払い賃金」のケースが多く見られます

未払い賃金のトラブルは、特定の業種や職種に限らず、あらゆる職場で起きています。代表的なケースを確認しておきましょう。

残業代・時間外手当が支払われていない
実際に働いた時間に対して残業代が支払われていない、あるいは「うちは固定給だから残業代はない」と会社側に言われているケースです。ただし、法律上は一定の要件を満たさない限り、残業代をゼロにすることはできません。「みなし残業」の名目で支払われているケースでも、実労働時間がみなし時間を超えていれば追加請求が可能です。

退職後に給料が振り込まれない
退職後の最終給与が支払われない、あるいは「懲戒解雇だから払わない」「退職の仕方が悪かったから差し引く」などと言われるケースです。退職の理由や形式にかかわらず、働いた分の賃金は必ず支払われなければなりません。

給与から不当な控除がある
「ミスをしたからペナルティとして差し引く」「制服代・研修費を給与から引く」といった控除が行われているケースです。法律上、給与からの控除には厳格なルールがあり、無断で差し引くことは原則として許されません。

名ばかり管理職・フリーランス扱いで残業代ゼロ
「管理職だから残業代は出ない」と言われていても、実態が管理職とは言えない場合、残業代の請求が認められるケースがあります。また、業務委託・フリーランス契約の形を取っていても、実態が雇用と変わらない場合は、労働者としての権利が認められることがあります。

未払い賃金の回収に使える主な手段

① 会社への内容証明郵便による請求

まず最初のステップとして、弁護士が会社に対して内容証明郵便を送付し、未払い賃金の支払いを正式に請求する方法があります。内容証明郵便は、「いつ・誰が・誰に・何を送ったか」を郵便局が公的に証明する文書です。弁護士名で送付することで、会社側に法的対応の準備があることを明確に伝えられ、任意での支払いに応じるケースも少なくありません。

② 労働審判

労働審判は、裁判所で行われる手続きですが、通常の訴訟よりも短期間・低コストで解決できるのが特徴です。原則として3回以内の期日で審判が下され、多くの場合は数ヶ月以内に結論が出ます。会社との話し合いがまとまらない場合に、訴訟より手軽に使える有効な手段です。

③ 民事訴訟

会社が支払いを拒否し、労働審判でも解決しない場合には、通常の民事訴訟で争うことになります。未払い金額が大きい場合や、会社側が強く争ってくる場合に有効です。また、賃金未払いには「付加金」といって、裁判所が会社に対して未払い額と同額を追加で支払うよう命じることができる制度があります。会社の悪質性が高いほど、この制度が活用されやすくなります。

④ 給与差押え(強制執行)

判決や審判が確定しても会社が支払わない場合、会社の銀行口座や財産を差し押さえる強制執行が可能です。法的に確定した債権である以上、最終的には強制的に回収する手段が残されています。

相談前に準備しておくと役立つもの

弁護士に相談する際、以下の資料があると状況の把握がスムーズになります。ただし、すべて揃っていなくても相談は可能ですので、持っているものだけでも構いません。

給与明細・賃金台帳 実際に支払われた金額と、支払われるべきだった金額を比較するための基本資料です。

タイムカード・勤怠記録 実際の労働時間を証明するために重要です。紙のタイムカードのほか、ICカードの入退室記録、パソコンのログイン・ログアウト記録なども証拠になります。

雇用契約書・労働条件通知書 契約上の賃金額・残業代の取り決め・雇用形態などを確認するために必要です。

会社とのやり取りの記録 給与未払いについて会社に問い合わせた際のメール・チャット・LINEなどの記録があると、交渉経緯の証拠になります。

一人で抱え込まないでください

給与未払いの問題は、被害者であるにもかかわらず「会社に逆らいにくい」「波風を立てたくない」という心理から、なかなか行動に踏み出せないことが多い問題です。しかし、働いた分の賃金を受け取ることは、法律で保障された当然の権利です。弁護士に依頼することで、会社との直接のやり取りをすべて代わりに行います。精神的な負担を軽減しながら、適切な手続きで請求を進めることができます。

「本当に取り戻せるのだろうか」という不安がある方も、まず一度、状況をお話しいただくことから始めてみてください。

BLOGサブタイトル
  • カテゴリーなし
最近の記事
おすすめ記事
  1. 登録されている記事はございません。
  1. 登録されている記事はございません。
TOP